「バイオハザード」は元々は日本から生まれたゲームを海外が実写化した映画です。
しかし、物語はほとんど別物で、初代バイオハザードの映画は映画界から見ても”ゾンビ映画”として指折りに入るほどの完成度です。
ゾンビ映画は数多く山のようにありますが、何がむずかしいかって、序盤の物語の展開方法が一番難しいんです。
まず、ゾンビ映画だからって最初から「ゾンビ退治に行くぜ」ではいけません。そういった映画は必ずというほど”駄作”です。
映画の初代バイオハザードでは”暴走した殺人AI”が最初の敵であり、ゾンビは想定外という目的設定でした。
いうなれば、”ゾンビ”とはクリーチャーであり、仮面ライダーのショッカーみたいな存在です。
しかし、”殺人AI”という近未来SFでのボスに纏わりつく無数のザコ敵であるから恐怖が倍増するわけであって、知らされていない想定外の敵だからこそ何体出てくるのかが想像できない。
ゾンビとは細菌感染であり、仲間がゾンビになるという事をメインにホラー展開していく作品は多いです。バイオハザードの映画でも2以降はそっちの方針になっている気がします。
ただ、映画の初代は仲間がゾンビになる回数が少ないんです。
噛まれた仲間の女性もやたらと発症が遅く何時間も掛かります。
つまり、この映画の題材は”そこじゃない”…と。
単純なゾンビパンデミックの他に、人間の仲間内での裏切り、殺人AIという導入部分。
大まかな3つのテーマがあって、よく2時間に入り切ったと思います。
ゾンビ映画の導入に殺人AIを入れようと考えた人は天才だと思います。
実際の原作ゲームにも出てきません。
”ウイルス”と”AI”という全く異なる題材だったからこそ、あれだけ複雑な展開でも理解できたのか…いや、違いますね。監督、脚本などスタッフの技量なのでしょうか。
唯一の不満点は最後に出てくる大型ボスで、少なくとも僕はしらけてしまうんですが原作ゲームファンは喜ぶんでしょうね。
ゾンビ映画は、ただただゾンビを退治して逃げるだけではなく、”どの部分”を主に見せたいのかが大事なのかもしれませんね。
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