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「リメンバー・ミー」
2017年公開の映画です。
物語は簡単に説明すれば「千と千尋の神隠し」をピクサー版にして軽い感じにした子供でも観やすい映画といえばしっくり来る印象。
ただ、根本的な題材が別物で、「千と千尋の神隠し」が映像で魅せる映画だとしたら、こちらは少年の心の葛藤を描いた映画だと思います。
誰だって、子供時代なのか現在進行形なのか、終わったと思っていてもトラウマとしてある
「親に認められずに夢を追うこと」もしくは好きを追求すること。
親の言いなりになって会社員や公務員になって、夢を諦めた人だって多いはずです。
この映画の冒頭からほとんど、ある意味で”虐待”といえるほどの主人公への束縛が物語に出てきます。それは親からすれば”愛情”だと言うことは確かなのかも知れません。
僕らだって「ゲームをして何になる」「勉強をして立派な高校へ~」など、
昔から本当に正しいのかもわからない愛情に押しつぶされてきたわけです。
この映画は「親の言うことは無視して夢を叶えよう!!」
なんて綺麗ごとをいうだけの薄い映画ではありません。
夢を叶えるための”代償”は何か。なぜ親は自分を束縛するのか。
それの意味を教えてくれます。
微妙にネタバレすると、
結果として1周回って「家族が大事」という最初の状況に戻るんですが、
それまでの過程が必要であって、それは少年が大人の殻を破るのには必要不可欠な試練だと言えるでしょう。
もしも「家族は何もわかってくれない毒親だ!」と決めつけて何も行動しなければ、この物語は始まっていなかったですし、主人公は大人にはなれず、腐って生きて行く人生だった筈です。
”夢を掴む”がこの物語の目標だった筈なんですが、最終的には「自分はなぜ感動しているんだろう」という謎の感動をして涙が出てきてしまいました。
テーマがシンプルなだけに、よくまとめられた良い作品だと思います。
☆5/5点
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